前提となるマーケティングについては、アメリカ・マーケティング協会(AMA;American Marketing Association)の2007年に改訂された「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。」(注1)という定義があります。一方で香りの活用とは、自然抽出や化学合成され又は人為的な作用が加えられ加工された「香料」「芳香材料」を利用し、表現手法も過去の手段にとどまらず心理的側面の分析を探求し新しいテクノロジーを活用して取り組まれます。
香りマーケティングとは、「企業活動において、香りを利用し活かすことによってマーケティング活動を実施し、新たな価値を創造する活動やプロセス」と定義します。
香りには色や光のような三原色は無いと考えられています。そのため、対象物の数ほど香りが存在するといえます。さらに、人間が受ける対象物の香りイメージも人によって異なります。このような香りの世界で情報を交換することは可能でしょうか。そこで、当協会が目標とする解決手段は、香り元素の特定化と組み合わせによる記号化です。はじめに、膨大な香りの組み合わせに共通の基材となる特定の原料を元素として規定します。この際、膨大な種類を包括する元素は特定できないため、特定化した元素で取り込めない香りは、必要に応じて単独又は複数の組み合わせで追加することとします。続いて、特定化した元素を用いて組み合わせによる記号化作業へと移行します。この記号化とは、辞書の文字(意味)とそれに相当する香りの組み合わせを決定することです。出来上がる組み合わせはデーターベース化して、誰でもが利用できるものになります。
産み出されたデータベースは、人々のネットワークを通じた香りの情報交換を可能とし、必要に応じてディフューザー等のデバイスから放散させ利用することが可能です。
これらの技術は、研究者や企業による開発を通じて社会への対応や還元がなされます。
当協会では、香りの元素を決定、組み合わせを記号化する、香りのデータベース化を目指しています。
注1)
アメリカ・マーケティング協会:マーケティングの定義は以下より翻訳して引用
http://www.marketingpower.com/AboutAMA/Pages/DefinitionofMarketing.aspx