わさび火災警報器開発を支援した
ユニバーサルデザイン・コンサルタント 松森果林氏(当協会顧問)
その意義と可能性についてのメッセージ
においは情報を伝える。
火災に気づかずに命を落とす聴覚障害者が多いといいます。私自身も怖い経験をしたことがありました。理由は簡単、「火災報知器の音が聞こえない」からです。
1985年から2005年の間で156人以上もの聴覚障害者が被災したというデータもあります。
でも、このようなことがあっても良いのでしょうか。
「におい」は情報を伝えます。ガス漏れのにおいでさえ、警報機の音が聞こえない人にとっては重要な情報源となっているのです。
「匂いで危険を知らせることができるのでは?」と提案して七年。
情報を伝える方法は様々です。音以外に、光、振動、そして匂い。光や振動だと熟睡しているときには気づかないことがありますが、ワサビのにおいには、覚醒作用もあります。様々な手段を組み合わせ、自分に合った方法で情報を受け取ることができれば、命を救える可能性は大きくなるのです。
2011年12月
ユニバーサルデザイン・コンサルタント 松森果林(当協会顧問)